図工について考え、これから勉強していこうと思っている小学校教師の日記


by hita61
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カテゴリ:小学校( 24 )

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 造形表現・図画工作・美術教育研究全国大会京都大会に行った。保育園から高等学校までの公開授業がある大きな大会だった。
 1日目は、京都市立宇多野小学校に行った。正門には、手作りの看板があった。ゴシック体で書かれている大きな看板はよく見るが、手書きの看板は初めて見た。
 宇多野小学校では、1〜6年までの14学級と特別支援学級の全15学級の公開授業が行われた。体育館には、児童の作品が展示されていた。先生が作った題材名の掲示の仕方には、工夫があった。私は、全学年の授業を一通り見て回った。だから、ひとつひとつは詳しくは分からないが、雰囲気や活動の様子は分かった。

 分科会は、中学年部会に参加した。愛知教育大学藤江充教授の指導助言の中に「資質と能力」についての話があった。私は下記のように理解した。

 資質と能力について
 「育成すべき資質や能力」と言われるが、育成する対象となるのは資質である。そして、これをやればできるというものが能力になり、資質と能力はかたまって新たな資質となり、それにまた能力がついてどんどん固まって増えていくものである。

 アプリを作った人は「自分が思ったことが形になっていくので楽しい。」と言っている。つくり出す喜びを経験させるのが図工である。鑑賞も通してつくる喜びになり、それが共通事項へとつながっていく。

 その他にも授業について具体的な指導助言があった。主な指導内容は、次のようだった。
3年「トントントンくぎうち名人」では、
くぎうちを楽しめばよい。
子どもが使いやすい金槌についても考えた方がよい。
今回使用していた太い釘は、子どもにとって打ち込むのが難しいのではないか。
釘をうって、木片をどうつかっていくのかが創造的な技能になっていく。
4年「焼き物のススメ〜京焼・清水焼を味わおう〜」では、
子どもが使っている茶碗の素材がどんなものであれ、自分が使っている茶碗をもってきて見比べてみるのもよい。
図工には、言えない世界がある。言葉では言えないけれども、わかるよねという世界がある。
4年「ありえない絵 美術館」では、
授業で意図したことはわかるが、「ありえない」という言葉には否定的なイメージがある。「あったらいいなこんな世界」というような投げかけの方がよかったのではないか。

 私は、「資質と能力」の話を聞いて、三澤先生の授業のジョハリの窓を使った認める評価と気付かせる評価によって社会的に生きる私がつくられ、広がっていく話を思い出した。

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by hita61 | 2010-11-02 21:42 | 小学校
 新座市立八石小学校の田尾先生の授業を見学させていただいた。今までもたくさんの先生にお世話になり、授業を勉強させていただいた。しかし、2時間題材以外の題材を始めから最後まで見学することはなかった。つまり、その時間の児童の変容を見ることはあっても、題材を通しての児童の変容を見ることはなかった。また、私がいつも知りたいと思うのは、どのような導入をしたのかということだった。
 そこで、今回は田尾先生にお願いをして、一つの題材の始めから最後までを見学させていただけることになった。

 題材名「よみがる感動 そのときの私」(立体)第6学年 10時間扱い
 田尾先生が題材名を板書してから一番始めに言った言葉は、「感動したことがある?」だった。それから、大きなことでなくても、映画を見て泣いてしまったことも、ラーメンを食べておいしかったことも、引っ越しをした日に雪が降っていたことも感動で、感動はすごいことでなくてもあるという話を子どもとのやりとりの中でされていた。

 大きくなくても心に残っているものを形にしていくこと、学校で用意する材料、「私」を作るための必要な針金の芯の作り方の説明をされた。最後に、来週までに他に使いたいもがあれば持ってくること、そのためには何を作るかを決めておくことを指示していた。

 私だったら、学校で用意する材料の説明をしたときに、他にどんな材料が使えそうか子どもに投げかけて、あげさせている。でも、よく考えてみれば、何を作るか決まっていなければ、どんな材料がいいのかもわからない。ちゃんと子どもが材料を持ってこられるか心配で、ちゃんと材料をもって来られるようにそのような場を設けるのだが、裏を返せば、自分が安心したいためなんだと思った。
 子どもに任せるってことは、私の場合は言いたいことをがまんすることなのかもしれない。
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by hita61 | 2010-11-02 11:02 | 小学校
 大石北小学校の上尾市教育委員会委嘱図画工作科研究発表会に行った。清掃が行き届いていて、とてもきれいな学校だった。児童の作品に直接画鋲を刺さない工夫もされていた。
 三澤先生の講演もあった。講演の中に「話したくなる体験を」というものがあった。先日聞いた奥村先生の話を想起させる内容でもあり、環境作りが大切なのだと改めて思った。その環境は、人だったり、場だったり、用具だったり、いろいろだ。環境が整うと、子どもは自分から進んで学ぶ。言い換えれば、環境が整わないと、子どもは自分から学べない。
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by hita61 | 2010-10-24 01:00 | 小学校
 埼大付属小学校の教育研究協議会に行った。付属小の授業研究会に行ったのは初めてだった。
 分科会で「題材の特性に応じ、児童の活動状況を読み取る評価方法の工夫」の研究発表がされた。児童の活動状況に応じた評価の分析等は、大変参考になった。研究発表を聞くことで、私の頭の中で漠然としていたものを整理することができた。

 指導講評では、文部科学省初等中等教育局教育課程課教科調査官の奥村先生の話が具体的でとても勉強になった。奥村先生は、一人の児童の目線から授業全体を見ていた。
 それは、
○先生の話を聞いている途中で、持っていた粘土で何かを作り出した→児童はあきてしまった→先生の話が長いと言える
○児童が赤いマジックを前から持ってきた、さらに、後方にある引き出しから折り紙を取り出してきた→誰に聞くこともなく自分で動いている→使いたいものが使える手立てがあると言える
○先生が近くの児童と話しているのを見た、先生が後ろの児童と話しているのを見た→先生が自分以外の児童と話している内容を聞いている→先生が一人の児童と話している言葉は、その一人の児童の支援だけではないと言える
○全児童を黒板前に集めて指導していたとき。
先生が一人の児童に構想の話を聞いた→話を聞いていた児童の目線が、発言している児童の拡大されたワークシートに動いた→ワークシートを拡大したことは、論理的に考えられる手立てになっていると言える
という見方だった。

 私も、一人の子を決めてその子がその時間に何を考え、何を学んでいるのかずっと見るときがあるが、そこから、環境づくり、支援等授業全体を見るには至らなかった。だから、奥村先生の見方がとても勉強になった。

 また、言語活動については、活動がないと言語は生まれないことを、「おいしいものを食べないとおいしいとは言えない。」という例えを使って話されていた。
 言語活動の充実としての教師の存在は、
1 低学年は、先生と話したい。先生と話すことで、「何が」「どこから」どのように」が整理される。
2 高学年では、論理的な会話ができる。先生と話すことで、新しい見方、方法、材料、判断ができるようになる。

 さらに、研究授業では、図工・造形から見ずに、子どもを感じるという姿勢で評価活動すること重要であること、
 共通事項については、
○色や形は、教師も子どもも作品を分析的に見る道具であり、教え込んだり、教え込まれる道具ではない
○ぼんやり印象で語っていたものが、形や色に着目させることで具体的に解説できたり、具体的に考えることができる
とも話されていた。

10分程度の指導講評だったことが残念だ。もっと聞きたいと思った。
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by hita61 | 2010-10-22 23:10 | 小学校
 茅ヶ崎市立茅ヶ崎小学校に行った。6月10日にも旅するムサビで茅ヶ崎小学校に行っている。その時は、ムサビの学生が制作した作品をムサビ生がファシリテーターとなり、6年生児童が鑑賞する活動だった。
 大学生と6年生児童は、夏から秋にかけて共通のテーマ「楽園」でそれぞれ作品を制作した。そして、今回は、その作品を学校内の自分たちが選んだ場所に展示し、学校を楽園にしようという企画だ。

 授業の計画された流れは次のようである。
対象は、6年生で2時間扱い。1.2校時(1・2組)、3・4校時(3・4組)。
1 学生が制作した作品の鑑賞
2 1グループ6〜8人程度に学生1名がサポートとして入り、学校内から自分たちの作品の展示場所を探す。
3 作品がよりよく見えるように工夫して展示する。
5 グループごとに「○○美術館」「○○な楽園」等のタイトルをつける。
6 学校の地図に自分たちの展示場所を記す。
7 友達の展示場所を巡る。

 1・2校時は、どこでどんなことをしているのかと学校全体を見て回った。一番はじめに思ったことは、とにかく子どもたちが生き生きとしていて楽しそうだということだった。
 3・4校時は、一つのグループを決め、どのように活動を展開していくかとずっと見ていた。担任から授業の流れを聞いた後、グループで話すこともなくすぐに歩き出したときには、どうするの?と少し驚いた。しかし、そこを、学生が一人ずつ何を描いたの見せ合うことを提案し、どこに飾りたいか聞き出し、展示場所を相談するようにもっていったので安心した。

 児童の展示活動の様子を見ていておもしろかったのは、
1 自分の作品がよりよく見えるところを探し、何度も配置換えをしたり、近くから見たり遠くから見たりしていたこと。とにかくこだわりをもって展示している児童が多かったこと。 
2 自分の作品とまわりの環境との関係性を考えていたこと。
3 作品の中に、環境を取り入れて新たな作品にしていたこと。
だった。

 児童の様子から、授業終了後もきっと、自分の作品を見るために、また、自分の作品に対する他の人の反応を見るために展示場所へ何度も足を運ぶだろうと予想できる。そして、自分でこだわりをもって展示することで作品に対する愛着も倍増すると感じた。さらに、展示場所や展示方法を工夫することで作品が数段よく見えた。1枚で見た時は、「う〜ん・・・。」と思ってしまった作品も、制作者がこだわりをもった場所で展示することでぐっとよくなるからおもしろい。

 授業終了後の反省会で、学生が
1 授業だから何かを学ばせなければいけない。学ばせることができたのか。
2 子どもから意見がでなかったとき、「じゃあ、こうすれば。」と言ってしまったが、それは、子どもの思いを引き出すのではなく、自分の考えを押しつけてしまったのではないか。
3 展示の仕方にもっとこだわりをもたせたかった。展示は、ていねいに、まっすぐになど展示にこだわらせることに美大生がサポートする意味があったのではないか。
等、言っていた。学生の口からこんな言葉が出てくることがすごいと思った。

 教師という立場で、導入・展開・終末と細かく見ていくといろいろと考えるところがあった。しかし、それは、やってみて感じたり、分かったことである。
 この企画は、子どもたちの生き生きと学ぶ姿がみられる。だから、今後、またどのように展開されていくのかとても楽しみだ。

↓学生が自分の作品について話しているところ。
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↓池に絵を浮かべて展示しようとしているところ。
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↓飼育小屋の裏でじょうろを発見。自分の作品にでてくる川の水をじょうろから流れてくるようにしようかどうかと考えているところ。
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↓池からいるかが飛び出しているようにしたいとこの場所に配置。一緒にいた友達が、葉っぱがわかめに見えると言ったことでさらにイメージが広がったようだった。2枚目の写真は、制作者がとったもの。
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↓自分の作品と色があっているとの理由でこの場所を選んでいた。2枚目の写真は、制作者がとったもの。花を手前にもってきて大きく写すことで制作したオルゴールをイメージした作品がより引き立つようにしたとのことだった。
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by hita61 | 2010-10-08 21:20 | 小学校
 木村先生は、松山市の図工主任会の会長もされている。今日も、市教委の各学校のポストに、美術展の題材例やその資料、審査基準や基本方針等を記載したものを入れてきたとのことだった。
 木村先生は、そうやって市全体の図工の力の向上のために努められていた。学校では、学級担任をされているが、空き時間等を利用するなど時間を見つけて、他の学年の図工の授業もされているとのことだった。
 東京都町田市立町田第四小学校の岡田先生も、やはり空き時間を利用するなど時間を見つけて、出ていない学年の授業をされていた。

 私が授業見学をさせていただいている先生方すべて、担当している学級だけでなく学校全体の図工の力の向上に努められていた。そして、みなさん、必ず、言うよりもやって見せていた。そうやって、図工を広め、理解を図っていくのだと思った。

 私は、絵の見方の研修が一番必要だと思っていた。それは、今も変わらない。そして、今回、更に必要だと思うものができた。
 それは、審査の基本方針をより具体的に、より明確にして全学校の全職員に提示することだ。確かに、県からは、趣旨や題材例等が記載されている要項が各校に配布されている。でも、視覚に訴えた方がよりわかりやすくて、伝わりやすいと思った。
 だから、「子どもの絵の見方」(東洋館出版社)や「1億人の図工・美術」(カシヨ出版)や「よくわかる図画工作科学習指導要領ビジュアル解説 授業への生かし方」(開隆堂)に記載されているように、作品と文字を組み合わせた資料があれば、より分かりやすくなると思った。そして、その作品の選出理由を4つの観点別評価に照らし合わせて解説して示すことで、より理解が図れるのではないかと思った。
 全員の先生が美術展を見に行っている訳ではないけれど、ほとんどの小学校の先生は図工を教えている。そして、先生たちが一番題材設定について考える時の一つに、美術展前が考えられる。だから、美術展の要項とともに、絵と文字が入った解説や審査基準を示すことは、担任としてもとてもありがたいし、それは、結果的に子どもにかえっていくことになるのではないかと思う。


↓教室からの景色
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by hita61 | 2010-09-10 00:12 | 小学校
 午後7時頃、松山空港に着いた。四国に来たのは、愛媛県松山市立高浜小学校の木村早苗先生の授業見学をさせていただくためだ。木村先生は、小学校学習指導要領解説図画工作編作成協力者になっている先生だ。
 木村先生と夕食をご一緒させていただいた。お話をさせていただいている中で、私にとってまた新しい発見があり、勉強になった。

1 子どもの世界を見つめる展
 これは、今年度から始めた取組で、「子どもが日常に描いた絵」の展覧会だそうだ。私は、今まで「子どもが日常に描いた絵」の展覧会は、見たことも聞いたこともなかったし、とても魅力的に感じた。
 これは、らくがきちょうのような薄めの紙のスケッチブックに日頃から子どもたちが描きためていたものを、色画用紙の台紙をつけ、題名、作者のコメントを添えて展示したとのことだった。子どもたちが日常的に描いているマンガ、イラスト、スケッチ、落書きなど、子どもたちの絵を描く行為の中に、子どもが表現することの意味や価値を見いだしたいと考え始めたとのことだった。

2 スケッチブックから
 9月7日(火)に実際に、「子どもの世界を見つめる展」に出品した作品を見せていただいた。色鉛筆、クレヨン、カラーペン等を使って描かれていた。子どものこだわり、興味を持っているものがとてもよく分かったし、描きながら発想が広がっていったことが想像できた。どれも「子どもが本当に描きたいものを描いている」と感じる絵だった。
 スケッチブックそのものも見せていただいた。スケッチブックの展示もしたそうだ。ある子は、何枚も何枚も乗り物が描かれていた。そのスケッチブックから、絵の連続性、その子のこだわり、価値観等も見えてきた。
 ちょっと薄めの紙のスケッチブックだということで、子どもは構えることなくどんどん思いを描いていきやすいのではないかと感じた。また、1冊にまとめられているので、子ども自身が自分の活動を振り返りやすいのだと感じた。

3 絵をかくということ
 木村先生の話の中に、朝読書等好きな本はどんどん読むことはとてもよい勉強だと認められているが、子どもたちが自由帳などに好きな絵をどんどん描いていることは勉強だと認識されていないのではないかという話があった。本当にその通りだと思った。私も、休み時間に自由帳に絵を描いて楽しんでいる子がいたけれど、それが勉強になるという考えはなかった。

 低学年ほど、イメージで考える。だから、絵を描くことで考えているのではないか。そして、絵で考えてから活字がでてくるのではないか。文字の勉強を先にやっても、文字からイメージを浮かべることは難しい。だから、低学年ほど自由に絵を描くことをたくさん経験させたいという話がとても印象的だった。

 そして、見ないで描ける子の方が自由に描ける。見ないで描ける子は、見ても描ける。しかし、見ないと描けない子は、見ないでかくことは難しい。という話も印象的だった。
 これは、見ないで描ける子というのは、自分の思いがあり、発想が鍛えられているということなのかなと思った。そして、木村先生は、見ないで描ける子を育てたいと話してくださった。
 低学年では、描きたい衝動にあわせてどんどん描かせる。そういう経験を積んでいれば、中学年で、空想で描けるようになる。そして、中学年で、空想の絵を描く経験をたくさん積んでいれば、高学年でも、空想の絵が描けるようになるのではないかと話してくださった。そして、高学年で見ないで描ける子は、絵を書き慣れた子なのではないかとも話してくださった。
 どの学年も非常に大切なのだが、特に中学年で、いろいろな表現方法をしり、自分の思いに合わせて表現方法を選ぶ経験をいかにするかがその後の活動に大きく影響するのだと感じた.


富士山(たぶん富士山、きっと富士山)が見えたことがうれしかった↓
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もうすぐ着くよ↓
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坊ちゃん列車(平日だからかな、1両しかない・・・。)↓
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by hita61 | 2010-09-07 23:06 | 小学校
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 内野先生は、掲示もかなり工夫されたいた。まず、図工室の壁一面に図工で使う道具が掲示されたいた。道具の名前は書いていない。道具の名前や使い方は、その時になって覚えればいいこと。ただ、こんな道具があるという情報を提供することは必要だと話してくださった。f0236373_72351.jpgf0236373_723841.jpg
 
 図工室以外にも、4年生が管理している立体めがねやぱらぱらマンガなどを展示した「見る見る美術館」があった。廊下には、右側通行を喚起するように児童の作品を展示していた。

 さらに、「これは俺の宝物。」とおしゃって今まで指導されてきた歴代の作品を見せてくださった。また、5年生の作品「ジャングルの生命(いのち)」は、すべてすばらしいし、評価でCとなる子はいないこともわかる。でも、AとBをどうわけていくか知りたいと話したところ、やってみればいいと、私が一クラス分をやって、見ていただいたりもした。ティンゲリーで使うモーターの組み立て方も教えていただいた。
 電動糸鋸をまだ使わない学年には、サービスタイムと言って、子どもが鉛筆で描いた形に切ってあげることもある。それは、やってあげているのではない。それも情報である。今はできなくても、こういうこともできるんだという情報を与えているのだと話してくださった。

 内野先生に次のことを伺った。
1 題材名「ジャングルの生命(いのち)」を使って育てたい能力
 描画のプロセス。絵を描く順序性、手続きを自分で考えて、密林という題材がもっている奥行きのある画面をどう5年生がとらえていくか。
 命に対する姿勢も大切。ジャングルそのものがすばらしい命である。

2 感性を働かせていたと思われる場面
 5年 題材名「ジャングルの生命(いのち)」について
 最初に何をやるべきか、その時の色の選択、順番、筆のタッチ、絵の具の量、水の量など自己選択する時にに感性が働いているのではないか。
 図工の感性は自己選択にある。自分で選んで自分で決める。どっちの色がいいかな、どっちの形がいいかななどのように、選択していく中でアートが生まれてくるのではないか。そして、そのあとに感性がついてくるのではないか、または、やがてついてくるものではないか。内面のアートを大切にしたい。

 色は一色ではないことを徹底的に教えている。子どもには、色は関わりであること、隣り合った色と一緒に色はきまってくることを教えている。
 「色は友達と一緒で、仲良し同士は同系色。一瞬きれいだけれども、緊張感はないよね。でも、そこに性格の違った友達が入ることで、緊張感が生まれ、もっとよくなるね。色の世界、配色は人間と同じだよ。」と話していると教えてくださった。

3 子どもに伝えたいこと
 自分のすてきさに気付いてほしい。表現することの楽しさを感じてほしい。今楽しい経験をするといことは必ず残っていく。
 楽しいは深い。楽しいは実は苦しい。ある程度ハードルが高い方が楽しいということを教えていきたい。そのために、図工の題材がある。考えが考えのままで終わらない、考えたことが実現できるのか図工のすごいところ。そして、それが図工の考えるということではないか。そして、それを最後までやれるということがとても大事なことではないか。
 図工を通して、勉強していく意味を教えていきたい。選択、決定できるのは自分であるということ。

4 授業で大切にしていること
 自己決定の場をつくる。
 ハードルを高く持つこと。
 幅の広い、広がりのある題材設定をすること。題材で何を感じてくれるか、子どもが世界をどう広げていけるかの題材設定を大切にしている。

 先生の課題提示は、ヒントでしかない。その課題を子どもが受け止めて、「ぼくだったらこういうジャングルにしたい。」という自己課題再設定をしていくものだ。それが、エネルギーである。だから、こういうジャングルを描きなさい、こういう風に描きなさいと細かい指示を出して描きなさいと言っているのでは、図工ではない。先生が言ったとおりに描いているだけである。
 ジャングルという課題を与えたならば、ジャングルの中に自由がなければいけない。

5 図工室経営で大切にしている
 一番大切にしていることは、安全性。
 子どもが自立しやすい環境づくり。道具がどこにあるか子どもがわかり、思ったときにすぐに使える環境。子どもの動線に立って動きやすい環境。
 作り合いの環境づくり。精神的なものである。それぞれの表現を尊重しあえる環境。そのために、先生がどんどん動く。
 図工大好きな子どもを育てたい。

6 先生にとって図工とは
 子どもにとっての図工とは何かを考えること。

 最後に、内野先生は、15歳から社会経験があること。中学を卒業してすぐに勤めたところが変電所、町の鉄工所。父親と鉄工所経営したこと。働きながら、高校、大学に行ったこと。職工経験が私にとっての美術大学だと話してくださった。


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by hita61 | 2010-08-04 23:43 | 小学校
 第5・6校時は、6年生の題材名「チャレンジ・ティンゲリー」
 内野先生に、ティンゲリーは人の名前であること、そして、ティンゲリーに挑戦するという意味をこめて「チャレンジ・ティンゲリー」という題材名にしたと教えていただいた。
 私は、ティンゲリーを知らなかったので、帰宅してからティンゲリーについて調べた。ティンゲリーは、スイスの画家であり、彫刻家であった。廃材を利用して動く彫刻を作ることで知られていた。実際に、ティンゲリーの作品の画像を見たが、見ているだけで楽しく、触ってみたい感じがした。また、色がついている作品の中には、ごっついけれどかわいい感じがするものもあった。子どもが興味をもちそうな形をしていた。
 こういうところから題材を開発していくことがすごいと思った。普段から題材や材料などについて考えているとは、こういうことだと思った。

 子どもたちは、骨組みを木材で作り、モーターと廃材と使って、動いて音がなる仕組みを作っていた。3人一組のグループ活動であった。グループをどうやって決めたか子どもに聞いたところ、係の子がいてその子たちが決めたとのことだった。内野先生は、全部子どもたちに決めさせるとおっしゃっていた。f0236373_6523649.jpgf0236373_652414.jpg
 廃材は、自分たちで用意もしていたが、先生もいろいろ用意し、入札していた。これは、使いたい材料の上に自分の名前を書いた紙を置いておき、入札が終わった時点でじゃんけんをして決めるというものだ。この「入札」という言葉も子どもにとって魅力的だと思った。

 昼休みから図工室に来て活動しているグループもあった。活動がかなり進んでいるように思われたので、子どもに何時間目か聞いたところ、前回に2時間活動しただけとのことだった。2時間でここまで進んだことに驚いたが、内野先生に言わせれば遅いとのことだった。
 また、設計図は描いていなかった。子どもたちは、「前の6年生の作品があるから、それを見てどんな感じになるのかイメージが湧く。だから、どんどんできるのだ。」と話してくれた。
 その時、戸田市立芦原小学校の長尾先生の「掲示は大切。それが子どもたちの活動に表れてくることもあるし、表れないこともある。でも、あるのとないのとでは違う。」という言葉を思い出した。ずっと見てきているから、できるのだ。そして、きっと6年生になったら、ああいうことができるという憧れを持っていたのだと思う。
 昨年、5年生で「音のある風景」という造形遊びやった。他学年の子が「5年生はいいなぁ。来年は、ぼくたちもできるぞ。」と言っていたと他学年の先生が教えてくれた。
 「来年は、やるぞっ。」という気持ちもとても大切だし、そういう思いを持つことは、次の学年での活動の広がりにもつながっていくと思った。そう考えると、その年の担任の先生によって、やる題材があったり、やらない題材があったりすることには課題があると思う。もちろん、その年の子どもに合わせて取捨選択していくことも大切であるが、子どもの気持ちを考えたとき、同じ題材を発展させていくことも大切だと感じた。

 内野先生は、子どもたちにものを大切にすること、グループで活動する意味を考えることなどを話されていた。図工の時間だけれど、学級経営にも通じるものがあった。
 特に、防ぐことのできた机のへこみ傷に対してかなり厳しくしかった。最後に、「いいか、今日のことは絶対に忘れるな。大人になっても忘れるんじゃないぞ。」という言葉がとても印象に残った。また、刃物の約束「人を傷つけない、ものを傷つけない、自分を傷つけない」という言葉も印象に残った。
 内野先生の図工は、子どもたちが大人となった時にいきていく人生観のようなものが魅力的だった。
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by hita61 | 2010-08-04 06:55 | 小学校
 第5学年 題材名「ジャングルの生命(いのち)」
この題材のねらいは、あるジャングルを想定し、それにあった主調色を見付け、密集した植物を描くこと。奥行きを意識しながら、主調色の反対色を感じて、生命を描き加えていくこと。とのことだった。
 ジャングルの主役は植物の密集であることを押さえなければいけない。そして、ジャングルの中にもうひとつの命が生まれてくると話してくださった。

 内野先生は、とにかく子どもの絵をよく見て回っていた。そして、子どもの絵の指導をしながら、いろいろな話をしてくださった。

先生の役割について
・教師は何を準備するかが大切。環境を整えてあげることがとても大切。
今回の題材では、内野先生は、都立夢の島公園夢の島熱帯植物館へ行って実際に資料となる写真をたくさん撮ってきていた。また、熱帯地方の図鑑も用意されていた。
・子どもの中に突っ込んでいくことは大切。それは、子どものやっていることに対するサポートである。しかし、先生の思うようにやってしまえば、それは先生の絵になってしまう。
・技法は、その都度、その都度ニーズによって与えればよい。そうしなければ、みんな同じ絵になってしまう。
・絵は120%やらせる。できました、まだできていません、これでいいです、もっとやりたいです、という完成度を育てる。そして、このことは同時に鑑賞の学習でもある。
・完成度を育てることは、1年生のうちからやらなくてはいけない。1年生でも、自分で考えて、できました、これでいいですと言ってもってこさせなければいけない。
・導入は言葉ではない。その前に、自由な環境、雰囲気ができているか。子どもの心的な環境ができているかがとても重要である。

机間指導しながら子どもに話した言葉
・もっと勇気をもて。
・くちばしは線ではない。
・もっと冒険してもよい。こわがらない。失敗したらまたぬればよい。
・鳥は、羽とくちばしの色は違う。
・翼は翼の感じ、体の場所によって羽の感じはちがう。
・猿はとってもかわいいけれど、猿の手が大切。何かをつかもうとしているのだから、手足の先の表現をもっとやる。
・空間を大切にする。林をもっと描くと奥行きはでる。
・葉っぱがはっきりしない。外枠だけがはっきりしている。主役は外枠ではない。葉っぱの中があるから、結果的に外枠ができるものだ。
・その筆ではできないから、先生の筆を使ってみて。どうして先生がこんなぱさぱさの筆をとっておいたかわかる?ほら、羽毛が描けるよ。
・思い切った色をつかってください。
・5年生だから言うよ。君が描いたこの蓮は上から見た蓮。でも、横から見るとどう?よく見て。

・すばらしい。
・君ならできます。絶対にできます。
・自信を持て。大丈夫よ。
・すごくきれい。きれいだけれど、何かが足りない。
・満点です。でも、それに満足しない。
・わかった?できるよ。
・いいよ、どんどん描いちゃえばいい。ぱーってぬっちゃって、それから考えればいい。
・失敗したっていいんです。またやればいいんです。やり直すことも勇気です。

 内野先生は、必要な子には、どんどん言葉がけをしていったし、技法も教えたし、金、銀の色を作ってあげたりもしていた。
「子どもの中に突っ込んでいくことは大切。それは、子どものやっていることに対するサポート。しかし、これで、先生の思うようにやってしまえば、先生の絵になってしまう。」
この言葉が意味するところがとても重要だと思った。

私は、現場で起こっている問題点は、次のようなことだと思う。
・指導すべきところを指導していない。一見子どもの気持ちを尊重しているようだが、放任している。
・子どもが自分で決めるべきところを先生が指示をだし、先生が決めてしまっている。
・子どもが自分で発見すべきところ、自分で気付くべきところを、先生が教えてしまい、先生が子どもの発見と気づきを奪っている。

 私には、内野先生のように、見てすぐに、子どもの思いがよりよく表現できるようなサポートはできない。見ただけでは、どこまで口を出していいのかわからない。だから、「対話」が必要なのだ。先生の役割は、その子の思いがよりよく表現できるようなサポートをすることだった。

 「下塗りは単なる背景ではない、世界の色だ。」という言葉もとても印象に残った。
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by hita61 | 2010-07-27 23:25 | 小学校