図工について考え、これから勉強していこうと思っている小学校教師の日記


by hita61
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 全国造形教育研究大会福島大会の帰りに、福島県立美術館に行った。想像以上の敷地の広さと、建物の大きさに驚いた。そして、中に入って、もっと驚いた。
 まず、入ってすぐに私たちを迎えたのは、大音量。そして、身長7.2mの火を噴くジャイアント・トらやん。動く大きなロボットに私の目は釘付けだった。そして、口から火を噴いた時には、もうビックリ。美術館でこんなこともできちゃうんだって、これも美術なんだって、今まで持っていた美術館に対するイメージが変わった。
 企画展示もおもしろかった。イチハラヒロコさんの作品を見て、文字だけでもいいんだって思った。よく考えれば、相田みつを美術館も文字だったけれど。やなぎみわさんの特殊メークとCGを使った写真と添えられていた言葉もおもしろかったし、ヤノベケンジさんのアトムスーツやトらやんもとてもおもしろかった。
  私は、今まで美術館に行って、きれいだな、すごいなって思ったことはあったけれど、今日みたいにおもしろいなって思ったことはなかった。こういうのもいいんだなって思った。
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# by hita61 | 2010-08-06 22:24 | 他の場所
 7月26日から短期集中で彫塑Ⅰの授業を受けた。課題は、石膏直付けで人体頭部の制作していくことだった。もちろん、人体頭部なんて作ったことはなかった。

 まず、デッサンをした。私は、デッサンは絵を描く勉強だと思っていた。だから、頭部を作るのにデッサンをするとは思っていなかった。また、デッサンをしたことがなかったので、どこからどういう風に描いたらいいのかもわからなかった。
 でも、やっていくうちに、ものの形をとらえるための見方の勉強だということがわかった。やればやるほど見えてくるものがあった。それは、ほお骨の形であったり、目の位置や大きさ形、ほほから口への形の流れ、目と鼻と耳の位置関係、顔から首へのつながり方など気付くことが増えていった。資料集に、顔の大きさに対する目や鼻、口の大きさの比率などが描いてあるが、それを見なくてもやっていくうちにちゃんと自分で気付いていくことができた。
 そして、形をとらえられてくると、いわゆるうまい絵に近づいてきた。

「見る」ということは、
・ 「もの」と「もの」との関係性を見ていくこと。
・ 観察して分析していくこと。
・ ここはこうなっていると判断し、形に表現していくということ。
・ 見ているものを形に表すということは、「私はこういうふうに見ていますよ。」という、そこに自分を介在させること。
・ 目だけで見るだけではなく、頭で考えながら見るということ。
・ 単に形を写すのではなく、形をみて考えるということ。
・ ぼ〜っとしていては見えないということ。
そして、絵を描くための勉強だと思っていたデッサンは、形をとらえるための見方の勉強であったことがわかった。
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# by hita61 | 2010-08-05 00:04 | 武蔵野美術大学
 私は、今、彫塑の授業で人体頭部を作っている。今日は、午前中に粘土での人体頭部を終わらせ、午後は石膏型取りだった。
 粘土での人体頭部を作っているとき、内野先生の「もっと勇気をもて。」「失敗したっていいんです。またやればいいんです。やり直すことも勇気です。」という言葉を思い出した。

 何時間もかけて作り、ほぼ完成のところまできて、顔を作り直すのはかなりの抵抗があった。自分でちょっと違うことに気付いた。どうにかしてあまりいじらないで直せないものかとやった。せっかく作ったものを壊すことは嫌だった。それは、自分なりに時間もかかっていたし、自分でもまあまあよくできた形だったから。どこをどう直せばいいのかも分かっていたけれど、やっぱり壊すのは避けたかった。
 結局、私には、完成間際の作品を思い切り削ったり、形を変えたりする踏ん切りがつかなかった。

 先生が私のところに来て、話しながら口をもぎ取った。それから、鼻ももぎ取った。鼻は、また取り付けられるようにもぎ取ったけれど。
 とられちゃったからあきらめがついた。やり直したらよくなったし、ちまちま直すよりはやくできし、直しやすかった。違うと思ったらやり直した方がずっといいと実感した。
 「やり直すことも勇気」って本当だ。やり直すには、結構な葛藤がある。だから、子どもにやり直してみたら?って言うときも、そういう子どもの気持ちもくみ取ってあげないといけないなって思った。
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# by hita61 | 2010-08-05 00:00 | 武蔵野美術大学
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 内野先生は、掲示もかなり工夫されたいた。まず、図工室の壁一面に図工で使う道具が掲示されたいた。道具の名前は書いていない。道具の名前や使い方は、その時になって覚えればいいこと。ただ、こんな道具があるという情報を提供することは必要だと話してくださった。f0236373_72351.jpgf0236373_723841.jpg
 
 図工室以外にも、4年生が管理している立体めがねやぱらぱらマンガなどを展示した「見る見る美術館」があった。廊下には、右側通行を喚起するように児童の作品を展示していた。

 さらに、「これは俺の宝物。」とおしゃって今まで指導されてきた歴代の作品を見せてくださった。また、5年生の作品「ジャングルの生命(いのち)」は、すべてすばらしいし、評価でCとなる子はいないこともわかる。でも、AとBをどうわけていくか知りたいと話したところ、やってみればいいと、私が一クラス分をやって、見ていただいたりもした。ティンゲリーで使うモーターの組み立て方も教えていただいた。
 電動糸鋸をまだ使わない学年には、サービスタイムと言って、子どもが鉛筆で描いた形に切ってあげることもある。それは、やってあげているのではない。それも情報である。今はできなくても、こういうこともできるんだという情報を与えているのだと話してくださった。

 内野先生に次のことを伺った。
1 題材名「ジャングルの生命(いのち)」を使って育てたい能力
 描画のプロセス。絵を描く順序性、手続きを自分で考えて、密林という題材がもっている奥行きのある画面をどう5年生がとらえていくか。
 命に対する姿勢も大切。ジャングルそのものがすばらしい命である。

2 感性を働かせていたと思われる場面
 5年 題材名「ジャングルの生命(いのち)」について
 最初に何をやるべきか、その時の色の選択、順番、筆のタッチ、絵の具の量、水の量など自己選択する時にに感性が働いているのではないか。
 図工の感性は自己選択にある。自分で選んで自分で決める。どっちの色がいいかな、どっちの形がいいかななどのように、選択していく中でアートが生まれてくるのではないか。そして、そのあとに感性がついてくるのではないか、または、やがてついてくるものではないか。内面のアートを大切にしたい。

 色は一色ではないことを徹底的に教えている。子どもには、色は関わりであること、隣り合った色と一緒に色はきまってくることを教えている。
 「色は友達と一緒で、仲良し同士は同系色。一瞬きれいだけれども、緊張感はないよね。でも、そこに性格の違った友達が入ることで、緊張感が生まれ、もっとよくなるね。色の世界、配色は人間と同じだよ。」と話していると教えてくださった。

3 子どもに伝えたいこと
 自分のすてきさに気付いてほしい。表現することの楽しさを感じてほしい。今楽しい経験をするといことは必ず残っていく。
 楽しいは深い。楽しいは実は苦しい。ある程度ハードルが高い方が楽しいということを教えていきたい。そのために、図工の題材がある。考えが考えのままで終わらない、考えたことが実現できるのか図工のすごいところ。そして、それが図工の考えるということではないか。そして、それを最後までやれるということがとても大事なことではないか。
 図工を通して、勉強していく意味を教えていきたい。選択、決定できるのは自分であるということ。

4 授業で大切にしていること
 自己決定の場をつくる。
 ハードルを高く持つこと。
 幅の広い、広がりのある題材設定をすること。題材で何を感じてくれるか、子どもが世界をどう広げていけるかの題材設定を大切にしている。

 先生の課題提示は、ヒントでしかない。その課題を子どもが受け止めて、「ぼくだったらこういうジャングルにしたい。」という自己課題再設定をしていくものだ。それが、エネルギーである。だから、こういうジャングルを描きなさい、こういう風に描きなさいと細かい指示を出して描きなさいと言っているのでは、図工ではない。先生が言ったとおりに描いているだけである。
 ジャングルという課題を与えたならば、ジャングルの中に自由がなければいけない。

5 図工室経営で大切にしている
 一番大切にしていることは、安全性。
 子どもが自立しやすい環境づくり。道具がどこにあるか子どもがわかり、思ったときにすぐに使える環境。子どもの動線に立って動きやすい環境。
 作り合いの環境づくり。精神的なものである。それぞれの表現を尊重しあえる環境。そのために、先生がどんどん動く。
 図工大好きな子どもを育てたい。

6 先生にとって図工とは
 子どもにとっての図工とは何かを考えること。

 最後に、内野先生は、15歳から社会経験があること。中学を卒業してすぐに勤めたところが変電所、町の鉄工所。父親と鉄工所経営したこと。働きながら、高校、大学に行ったこと。職工経験が私にとっての美術大学だと話してくださった。


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# by hita61 | 2010-08-04 23:43 | 小学校
 第5・6校時は、6年生の題材名「チャレンジ・ティンゲリー」
 内野先生に、ティンゲリーは人の名前であること、そして、ティンゲリーに挑戦するという意味をこめて「チャレンジ・ティンゲリー」という題材名にしたと教えていただいた。
 私は、ティンゲリーを知らなかったので、帰宅してからティンゲリーについて調べた。ティンゲリーは、スイスの画家であり、彫刻家であった。廃材を利用して動く彫刻を作ることで知られていた。実際に、ティンゲリーの作品の画像を見たが、見ているだけで楽しく、触ってみたい感じがした。また、色がついている作品の中には、ごっついけれどかわいい感じがするものもあった。子どもが興味をもちそうな形をしていた。
 こういうところから題材を開発していくことがすごいと思った。普段から題材や材料などについて考えているとは、こういうことだと思った。

 子どもたちは、骨組みを木材で作り、モーターと廃材と使って、動いて音がなる仕組みを作っていた。3人一組のグループ活動であった。グループをどうやって決めたか子どもに聞いたところ、係の子がいてその子たちが決めたとのことだった。内野先生は、全部子どもたちに決めさせるとおっしゃっていた。f0236373_6523649.jpgf0236373_652414.jpg
 廃材は、自分たちで用意もしていたが、先生もいろいろ用意し、入札していた。これは、使いたい材料の上に自分の名前を書いた紙を置いておき、入札が終わった時点でじゃんけんをして決めるというものだ。この「入札」という言葉も子どもにとって魅力的だと思った。

 昼休みから図工室に来て活動しているグループもあった。活動がかなり進んでいるように思われたので、子どもに何時間目か聞いたところ、前回に2時間活動しただけとのことだった。2時間でここまで進んだことに驚いたが、内野先生に言わせれば遅いとのことだった。
 また、設計図は描いていなかった。子どもたちは、「前の6年生の作品があるから、それを見てどんな感じになるのかイメージが湧く。だから、どんどんできるのだ。」と話してくれた。
 その時、戸田市立芦原小学校の長尾先生の「掲示は大切。それが子どもたちの活動に表れてくることもあるし、表れないこともある。でも、あるのとないのとでは違う。」という言葉を思い出した。ずっと見てきているから、できるのだ。そして、きっと6年生になったら、ああいうことができるという憧れを持っていたのだと思う。
 昨年、5年生で「音のある風景」という造形遊びやった。他学年の子が「5年生はいいなぁ。来年は、ぼくたちもできるぞ。」と言っていたと他学年の先生が教えてくれた。
 「来年は、やるぞっ。」という気持ちもとても大切だし、そういう思いを持つことは、次の学年での活動の広がりにもつながっていくと思った。そう考えると、その年の担任の先生によって、やる題材があったり、やらない題材があったりすることには課題があると思う。もちろん、その年の子どもに合わせて取捨選択していくことも大切であるが、子どもの気持ちを考えたとき、同じ題材を発展させていくことも大切だと感じた。

 内野先生は、子どもたちにものを大切にすること、グループで活動する意味を考えることなどを話されていた。図工の時間だけれど、学級経営にも通じるものがあった。
 特に、防ぐことのできた机のへこみ傷に対してかなり厳しくしかった。最後に、「いいか、今日のことは絶対に忘れるな。大人になっても忘れるんじゃないぞ。」という言葉がとても印象に残った。また、刃物の約束「人を傷つけない、ものを傷つけない、自分を傷つけない」という言葉も印象に残った。
 内野先生の図工は、子どもたちが大人となった時にいきていく人生観のようなものが魅力的だった。
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# by hita61 | 2010-08-04 06:55 | 小学校
 第5学年 題材名「ジャングルの生命(いのち)」
この題材のねらいは、あるジャングルを想定し、それにあった主調色を見付け、密集した植物を描くこと。奥行きを意識しながら、主調色の反対色を感じて、生命を描き加えていくこと。とのことだった。
 ジャングルの主役は植物の密集であることを押さえなければいけない。そして、ジャングルの中にもうひとつの命が生まれてくると話してくださった。

 内野先生は、とにかく子どもの絵をよく見て回っていた。そして、子どもの絵の指導をしながら、いろいろな話をしてくださった。

先生の役割について
・教師は何を準備するかが大切。環境を整えてあげることがとても大切。
今回の題材では、内野先生は、都立夢の島公園夢の島熱帯植物館へ行って実際に資料となる写真をたくさん撮ってきていた。また、熱帯地方の図鑑も用意されていた。
・子どもの中に突っ込んでいくことは大切。それは、子どものやっていることに対するサポートである。しかし、先生の思うようにやってしまえば、それは先生の絵になってしまう。
・技法は、その都度、その都度ニーズによって与えればよい。そうしなければ、みんな同じ絵になってしまう。
・絵は120%やらせる。できました、まだできていません、これでいいです、もっとやりたいです、という完成度を育てる。そして、このことは同時に鑑賞の学習でもある。
・完成度を育てることは、1年生のうちからやらなくてはいけない。1年生でも、自分で考えて、できました、これでいいですと言ってもってこさせなければいけない。
・導入は言葉ではない。その前に、自由な環境、雰囲気ができているか。子どもの心的な環境ができているかがとても重要である。

机間指導しながら子どもに話した言葉
・もっと勇気をもて。
・くちばしは線ではない。
・もっと冒険してもよい。こわがらない。失敗したらまたぬればよい。
・鳥は、羽とくちばしの色は違う。
・翼は翼の感じ、体の場所によって羽の感じはちがう。
・猿はとってもかわいいけれど、猿の手が大切。何かをつかもうとしているのだから、手足の先の表現をもっとやる。
・空間を大切にする。林をもっと描くと奥行きはでる。
・葉っぱがはっきりしない。外枠だけがはっきりしている。主役は外枠ではない。葉っぱの中があるから、結果的に外枠ができるものだ。
・その筆ではできないから、先生の筆を使ってみて。どうして先生がこんなぱさぱさの筆をとっておいたかわかる?ほら、羽毛が描けるよ。
・思い切った色をつかってください。
・5年生だから言うよ。君が描いたこの蓮は上から見た蓮。でも、横から見るとどう?よく見て。

・すばらしい。
・君ならできます。絶対にできます。
・自信を持て。大丈夫よ。
・すごくきれい。きれいだけれど、何かが足りない。
・満点です。でも、それに満足しない。
・わかった?できるよ。
・いいよ、どんどん描いちゃえばいい。ぱーってぬっちゃって、それから考えればいい。
・失敗したっていいんです。またやればいいんです。やり直すことも勇気です。

 内野先生は、必要な子には、どんどん言葉がけをしていったし、技法も教えたし、金、銀の色を作ってあげたりもしていた。
「子どもの中に突っ込んでいくことは大切。それは、子どものやっていることに対するサポート。しかし、これで、先生の思うようにやってしまえば、先生の絵になってしまう。」
この言葉が意味するところがとても重要だと思った。

私は、現場で起こっている問題点は、次のようなことだと思う。
・指導すべきところを指導していない。一見子どもの気持ちを尊重しているようだが、放任している。
・子どもが自分で決めるべきところを先生が指示をだし、先生が決めてしまっている。
・子どもが自分で発見すべきところ、自分で気付くべきところを、先生が教えてしまい、先生が子どもの発見と気づきを奪っている。

 私には、内野先生のように、見てすぐに、子どもの思いがよりよく表現できるようなサポートはできない。見ただけでは、どこまで口を出していいのかわからない。だから、「対話」が必要なのだ。先生の役割は、その子の思いがよりよく表現できるようなサポートをすることだった。

 「下塗りは単なる背景ではない、世界の色だ。」という言葉もとても印象に残った。
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# by hita61 | 2010-07-27 23:25 | 小学校
 7/13(火)に東京都品川区立第三日野小学校の内野務教諭の授業を見学させていただいた。内野先生は、ドキュメンタリー映画「トントンギコギコ図工の時間」(監督・野中真理子)の舞台となった第三日野小学校の図工専科の先生である。
 授業は、第1校時から第6校時までの計6時間見学させていただいた。第1校時から第4校時は、5年生2クラスを2時間ずつ、第5・6校時は、6年生の1クラスの授業を見学させていただいた。更に、休み時間や放課後もお忙しい時間をさいて、お話をしてくださった。
 内野先生は、「本当にずっといたね。」とおっしゃったが、本当にずっといたくなる図工室であり、内野先生だったのだ。私にとって、刺激的で、新しく知ること、感じることが多く充実した一日だった。第三日野小学校では、内野先生が子どもたちに何を語り、どう関わっていくのかを見たいと思った。
 
 内野先生は、子どもたちにABCの3つの勉強についての話をされていた。これは、内野先生が子どもたちにずっとお話をされてきていることだ。
Aの勉強は、音楽、図工などの芸術の勉強。
Bの勉強は、国語、算数などのように点数がつくもの。基礎的・基本的な勉強。大切だし、なくてはならない。そして、教えてもらうための勉強。Bの勉強の中にも、Cの勉強はある。
Cの勉強は、自分から社会の知識を身につけていく勉強。口蹄疫、ワールドカップ開催国についてだったり。Bの勉強ができても、Cの勉強ができていないようではだめ。
ABCの勉強3つが1つになって、私たちは豊かな人間になれる。
という話をされていた。この勉強の話はとても共感できるものであったし、こういうことも子どもたちにちゃんと伝えていかなければいけないことだと思った。

 内野先生が、子どもたちに語る言葉がとても勉強になった。その言葉がもつ意味がとても重要で、教師の姿勢としてもとても重要なことだと思った。だから、今回は、内野先生が話されたことを書きだした。

 5年生の授業は、椅子作りのイメージ図から始まった。子どもたちは図工ノートに、9つ程度の椅子のイメージ図を描いてきていた。内野先生は、図工ノートを見て、f0236373_2316249.jpg
・悩みが足りない。
・こだわっていない。
・新しい線、形で椅子を作ろう。
・みんな同じではない。
・例えば、曲線からイメージするなど、言葉から考えるのもおもしろい。
・椅子の脚、座るところ、背中にあてるところが、ばらばらではいけない。それをトータルデザインという。
・脚は、1本でもいい。では、1本で立たせるときはどうすればいい?
・デザインを冒険しましょう。
・この形はだめだと、自分の仕事に×をつけてはいけない。そこから、自分の仕事をふくらませるのだ。どうすれば、それができるか考えるのだ。例えば、(絵を描いて見せながら)こんなときどうすればいい?
・浦和の埼玉県立近代美術館には、くちびるの形をした椅子があるよ。東京都デザインセンターにも行ってごらん。いろいろあるよ。
・先輩が作ってきた椅子の写真がたくさんあるから、見てください。ただし、まねをしてはいけない。
・テーマは大切。
・材料は大切。場合によっては、材料から形を発想することもある。形を作るために、どんな材料がいいか考えることもある。
・座れなくてもいい。アートの椅子だから。図工室の椅子は、象が乗っても大丈夫なほどとても丈夫にできている。使えるための椅子もとても大切。でも、図工では、アートな椅子。
・形や色にこだわりをもちなさい。
・自分の中のものをあきらめてはいけない。

 子どもたちは、また自分の椅子のデザインを考えてくることになった。

 内野先生の言葉から、椅子のデザインを通して、もっと、もっと、考えろ。自分を高めろ。もっと、自分と向き合え。中途半端なことはするな。というメッセージが感じられた。そして、子どもが何をどう考えていけばいいのかが分かるように、形、色、材料、テーマ、デザインなどの視点の指導をしていた。
 映画で見た椅子は、子どもたちが本当に、練って、練って、練って作りだしていたものだと分かった。そうやって作っているものだから、制作の集中力も違うし、作品に対する思い入れも違うのだ。

 特に「この形はだめだと、自分の仕事に×をつけてはいけない。そこから、自分の仕事をふくらませるのだ。」「自分の中のものをあきらめてはいけない。」という言葉が印象に残ったし、すごくいいなぁと思った。
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# by hita61 | 2010-07-26 23:19 | 小学校
 7月11日(日)に宮城県美術館に行った。宮城県美術館は、想像していたよりも広くて、とてもきれいだった。私が行った日は、「ピカソと20世紀美術の巨匠たち」の最終日だったので賑わっていた。f0236373_162222.jpg
 美術館が行っている「美術探検」に参加した。ギャラリートークを通して、作品を使って、自分の世界を広がっていくのが鑑賞というのも、歴史的背景を知っていると鑑賞が深まるということも、一つの投げかけに対して、全員が一斉に違うことを考え出すおもしろさというのも分かった。でも、私が一番おもしろかったのは、今まで見たことのない見方をしたことだった。
 入り口を覗いてどんな作品があるのかなと見る。次に、出口を覗いて、どんな作品で終わるのかなと見る。それから、チケットを買うかどうか決めればいいという見方。
 展示室に入ってから、離れたところからその部屋に展示されている絵画を見渡し、この部屋にはどんな絵があるのだろうと見ること。そうやって見ると、自ずと、部屋ごと、時代ごとの雰囲気の違いが見えてきた。
 額縁の見方。
今まで、そんなふうに見たことがなかったから、そういう見方もあるんだなと思った。
 
 それから、教育普及部の方ともお話をした。たくさんお話をしてくださったが、特に印象深かったのが、
・美術の美は、ビックリのビ。美しいものにも、うぇ〜というものにも、ビックリするほどの「もの」や「こと」に感動がある。
・頭の中にいかに世界をつくってあげられるか。
・具体的にやった体験を経験化しないといけない。ワープロでたくさん文字を打って文書を作っても、保存しなければすべて消えてしまうのと同じこと。

 先日、だた聞いた人は7%、メモをした人は30%、他の人に話した人は70%、人に話すことを繰り返した人は100%、聞いた内容が頭に残るという話を聞いた。具体的にやった体験を経験化しないといけないという言葉と同じことだと思った。

 宮城県美術館には、佐藤忠良さんの教科書もあった。時間の関係で、時間をかけてじっくり見るには至らなかった。でも、小学生用の教科書を見ることはできた。小学生用の教科書を見るのは初めてだった。
 中学生用の「少年の美術」には、「これから美術を学ぶひとへ」「なぜ美術を学ぶのか」というメッセージがあったので、小学生用にはどのようなことが書いてあるのだろうというのに興味があった。小学生用の教科書には、「この本をよむ人へ」として
「この本には、図画工作の時間にかいたり、つくったりするものが、のっています。じょうずに絵をかいたり、じょうずにものを作ったりすることが、めあてではありません。
 きみの目で見たことや、きみの頭で考えたことを、きみの手で、かいたり、作ったりしなさい。
 心をこめて作っていく間に、しぜんがどんなにすばらしいか、どんな人になるのが大切か、ということがわかってくるでしょう。
 これがめあてです。」(図画工作教科書 こどもの美術 新訂版 現代美術社)
とあった。まだ、教科書の裏表紙には、1〜6年年生の各学年にあわせて「感じる心」について書いてあった。
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# by hita61 | 2010-07-26 01:14 | 他の場所
 埼玉県立近代美術館のMOMASの扉プログラム「ねぇ!わかって!この感じ!」に参加した。f0236373_011301.jpg
 これは、音やジェスチャーから想像して、館内にあるどの作品を表現したものなのかグループで探るプログラムである。
 埼玉大学の学生が、表現する作品を選び、その作品を音やジェスチャーで表現した。作品を音で表現したことがとてもおもしろかったし、音から作品を探ることもとてもおもしろかった。音を出している時、参加者は後ろを向いているので、どうやってその音を出したのかわからない。だから、なおさらその音に神経を集中させているように見えた。スズランテープをくしゃくしゃにして出した音だったり、空き缶を潰した音だったり、紙をすりあわせる音だったり、学生が作品をイメージして作った音もおもしろかった。
 中学生グループの様子を見ていたが、自分たちで活発に話し合いを進めていた。作品のどの部分からジェスチャーされたことや音が感じられるかなど、自分もジェスチャーしながら話す場面も見られた。

 最後に、学生がどの作品を選んだのかとなぜそのように表現したのかを話した。あたった、はずれたというふうにはならなかった。そうならないようにしていたこともあるが、おそらく参加者が、十分に作品を見ることを楽しんだからではないかと思った。

 とにかく、今回のプログラムはとてもおもしろかったし、盛り上がっていたと思う。
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# by hita61 | 2010-07-22 21:55 | 埼玉県立近代美術館
 芦原小学校は、新設されて6年目になる学校だった。ガラス張りが多く取り入れられた、オープンスペースをもつを校舎だった。校舎内に、額に入れられた児童の絵画や、いろいろな場所に立体作品が多く掲示されていた。額に入っていると、絵が引き立つし、子どもも大切にされている気持ちになると思う。また、校長先生も絵をお描きになるとのことで、校長先生が描いた絵も飾られていた。

 様々な都合上、額に入れることは難しい学校もある。本校では、児童の作品を掲示する時、直接作品に画鋲をさして掲示しないようにしている。それぞれの場所で、児童の作品を傷つけないような掲示の仕方を工夫することが必要だと思う。そして、それが児童を大切にすることになるのではないかと思っている。f0236373_23282653.jpg

 多目的ホールの天井には、5年生が和紙のロール紙に描いた作品が掲示されていた。芦原小学校では、「豊かな国際性を身につけた人間の育成」について研究をしていて、図工で「文字を使って日本の良さを世界に伝えよう」というテーマで発想し、活動したときのものだそうだ。5人1組程度の班で、1作品を仕上げていったとのことだった。

 3・4校時に見学させていただいた題材名「ギコギコ、コロコロ、たのしいなかま」について次のようにお話をしてくださった。
 題材名は、教科書通りの「ギコギコ、コロコロ、たのしいなかま」である。しかし、本時の学習の内容が、子どもたちにとって分かりやすいように「木のコレクション」というタイトルを付けた。
 最初に作るものを決めてしまうと、子どもはそのようにしか切らない。だから、最初は「木のコレクション」という形で、いろいろな木をいろいろな形に切ることを楽しんでもらいたかった。
 次回は、木のコレクションを組み合わせて立体にしていくので、また違うタイトルを提示するとのことだった。
 また、のこぎりなどの道具の使い方について、すべてを教えなくてもよいが、基本的なことを教える。この場合は、どうすればよいのか自分で考えることが大切で、自分で考えて切れた時ほど、子どもはうれしいし、達成感があるのではないかとも話してくださった。

長尾先生に次のことを伺った
1 本題材を通して育てたい能力
 「どうやって切ったらいいだろう。」「この形に切るためにはどうしたらいいのだろう。」という思いは、やらないと湧いてこないし、考えていくことができない。まずは、切ることを通し、試行錯誤し、切り方を工夫していくような力を育てていきたいと思う。

2 本題材で感性を働かせていると思われる場面
 本時の場合であれば、木材の種類を選ぶ、色、におい、かたい、やわらかいを感じることが大切であり、この部分で感性を働かせていると思われるのではないか。次の段階になると、磨くことが加わってくる。磨いていくと、また、さわり心地がよい、木目がきれい、香りを感じるだろう。また、木を組み合わせて行く過程で、木から心地よさや美しさを感じる、自分で作った形から自分が刺激をうけるなど、五感で感じられることが、その子の中で感性として育っていくような気がする。

3 授業で大切にしていること
① 表現することを楽しんでもらいたい。
② 表現する喜びを感じてほしい。
③ 躊躇せずに自信をもってやる子どもに育ってほしい。
④ いろいろな経験をさせること、自分で発見させること。

4 子どもたちに伝えたいこと
 図工は、プロを育てるためのものではない。子どもたちがやがて大人になってどんな職業についたとしても、自分で造り出す力、考える力、人に自分の考えを伝える力は必ず必要になってくる。図工を通して、創造する力、考える力、人に自分の考えを伝える力などを育てていきたい。

5 図工室経営で大切にしていること
 既習事項を生かすためにも、表現に選択の余地を作るためにも、道具や材料の充実を図り、整備、準備をしっかりすること。子どもが選ぶことで、感性が育っていくだろうし、創造力を育むことにもつながっていくのではないか。
 子どもが自分の表現する上でのヒントにもなるので、校内掲示や展示にも気を配っている。掲示や展示された作品を、子どもたちは自分なりに鑑賞している。そのことが、実際に自分の活動に何らかの形で出てくる場合もあるし、出てこない場合もある。しかし、掲示や展示があるのと、ないのとでは違うと思う。

6 先生にとって図工とは
表現するって楽しい。
自分の夢を形にできる。 こうしたいな、こうだったらいいなを絵の中、立体の中でできる。
図工で、子どもの創造力を育てることができるのではないかと思っている。

7 教科書を使っていない先生もいるが、このことについてどう思うか。
 教科書は、研究を重ねてしてつくられているので、能力を育てる要素がつまっている。自分で、やっていくのだったら、それで何が育つのかを明確にしていく必要がある。そうしなければ、図工で育てるべき能力が育たないのではいか。

 その他にも、いろいろな経験をさせたこと、自分で発見することを大切にすることについて次のように話してくださった。例えば、クレヨンを使う題材なら、色を塗る道具だけではなく、ひっかくスクラッチ、ぼかし、バチック、混色もできることなどを経験させる。そのような経験をすると、子どもたちはいろいろなことをやり出し、新たな発見をしようとする。その中で、工夫することは楽しい、発見をすることは楽しいという気持ちが生まれるのではないかと話してくださった。だから、新しいことをしたらほめるようにしているとのことだった。

 最後に、図工をやっていて一番楽しい時は、先生が思っていなかったことを子どもがやり出した時だと話してくださったのが印象的だった。
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# by hita61 | 2010-07-21 23:30 | 小学校