図工について考え、これから勉強していこうと思っている小学校教師の日記


by hita61
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 金曜日に、三澤先生に、もし、何も知らずにコピアートペーパーを渡されていたらどうだったろうかと聞かれた。
 私は、すでにできあがったものを見ていたから、透き通る物を置けばいいとわかっていた。また、どのようなものができあがるのかある程度の予想はついていた。だから、学生のと自分のを比べて学生の方がいいと思ったのではないか。何も知らずに、コピアートペーパーを渡されていたらどうだったろうかと言われた。

 何も知らずに、コピアートペーパーを渡されていたらどうなるか。
授業展開(導入)
1 「これから、この紙を配るから、この紙の上にポケットからでも、机の中からでも、
   筆箱からでもいいから、何か適当に置いておいてよ。」

2 感光する間、他の活動をする。

3 感光したら、「紙の上の物をどかして、今から配る画用紙に挟んでおいてね。」
  児童「なんか、黄色いのが残っているよ。」「何これ?」

4 「さあ、これから魔法をかけに家庭科室に行きます。」
  児童「何?家庭科室?何するの?」 
  画用紙に挟んだまま、家庭科室に移動し、アイロンをかける。

5 児童「え〜、紙にアイロンかけちゃっていいの?」
    「こげちゃうんじゃない?」
    「うわ〜、何これ、すげ〜。超きれいなんだけど。」
    「もう、先生、こうなるんだったら、ちゃんと言ってよ!言ってくれれば、
     もっと考えて置いたのに。」(関心・意欲・態度)

6 「あら、そう?じゃあ、今度の図工はこれをやるから、
   何をのせたらおもしろいか(発想)、どんなふうにおいたらかっこいいか(構想)、
   考えて材料集めをしておいてね。」

 ここから、学習が始まるのではないか。この方法で考えられるメリットは、
1 自分から学習を始めようとすることができる。
2 材料を集めようという意欲が大きい。
3 次の図工まで、児童は図工について考えることになり、授業以外でも図工と関わることができる。
4 身近なものから使えるものを探すため、ものを見る目が変わる。(鑑賞) 
5 できあがった物を見せてから試すより、感動が大きく、次への意欲も高くなる。
6 私がやったときのような学生と比べて自分の方が劣るという感情を抱くことなく、材料集め等次の活動への意欲をもつことができる。

次の図工で活動に入ったら、コピアートペーパーは一人3枚程度まで使ってよいことにする。
理由 試行錯誤させるため。
   制限をつけることで、工夫をさせることができるため。

こんな風に考えてみた。対象は、安全面から考えて、アイロンの使い方を家庭科で学習している小学校の高学年。
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by hita61 | 2010-06-06 23:47 | 武蔵野美術大学
 新座市立八石小学校の田尾先生からメールをいただきました。
田尾先生の文なのですが、田尾先生のあたたかさが感じられて、本当にその通りだなとすごく共感できたので、その文をこのままアップさせていただきました。

「図工は個別指導のかたまりだな、とよく思います。題材取組の初回は全体への指導ですが、制作がはじまったらその子その子に向き合う指導です。声かけ、アドバイス、用具の使い方、危険行為の注意、安全確保。直接対応しなくともその子の制作状況を見ておくだけでも個別指導になります。2時間でクラス35人に何らかの指導を心がけています。そして、子どもと一緒に題材に取り組んでいる感じがします。
それと同じ指導は野外での写生授業で、2クラス70人全員への現場での個別対応は不可能です。2時間で指導できるのはせいぜい10人程度。1週目は上流でかいている子、2週目は中流でかいている子、3週目は下流でかいている子を中心に見ようというパターンです。で、学校にもどって全員の絵を見直して、その日まったく対応していなかった子どもたちの中で「あっ、こんな絵をかいていたのか」と思う絵を見るとなんだかうれしい気持ちになります。教員が声かけしなくてもちゃんと自分の絵をかいている、現場指導ではわからないよさがあります。たぶん、帰校して時間をおいて見直す、その時間差がこちらに冷静さをもたらすのではないかと思います。現場では目先の指導に気がとられ、教師が「なんとかしよう」という先走った思いが強くなります。帰校後という条件は、子どもと絵のありようが、時間をおくことで冷静にみられるのかもしれませんね。」

 6月3日(木)に八石小学校に行かせていただいた時、玄関の天井にたくさんの三角錐が飾られていました。風で揺れたり、回ったり、とてもきれいでした。6年生が作ったそうです。その三角錐をそのまま処分してしまうのはもったいないと考えて、今度は4年生が「おさんポくん」と作ったそうです。動画も添付していただいたのですが、階段を上る動きや、Uターンする動きが愛らしく、おもしろいです。そういう、アイディアがすごいなぁと思います。こういうことが、どうしようかなと考え続けることの一つなのかなと思いました。
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by hita61 | 2010-06-06 00:29 | 小学校
 田尾先生との話から②

3 放課後の田尾先生の話から
(1)折る指導と切る指導は時間をかけてやる。
・紙を折る時→机の縁を使う。真ん中から押して折る。
・紙を切る時→ほしい形がフリーハンドで切れるようになるようにさせる。
       思った形にならなければ、何度でもやらせる。

(2)写生会について
・今日、先生が「よし、OK」と言ったこの中には、気持ちが続かなくて終わりになった子がいた。その子に、来週もう一度自分の絵を見て描かせますか?→描かせない。もし、描かせるのならば、新しい紙で始めから描かせる。

(3)取り組んだ題材について
4年生 石ころころりんで箱作りf0236373_20383433.jpg
1 画板の4辺に、段ボールの帯をつけ、石がころがって落ちないようにする。
2 ビー玉だとすぐにころがってしまうが、石はなかなかうまく転がらない。 緊張感が生まれる。
*実際にやらせていただいたが、手だけ動かしていてはできない。体ごと動かさないと石がまわらない。ビー玉を転がすよりも、ずっと難しい分緊張感もあるし、どんな線になるのか、どこへ転がって言うのか全く予想がつかない。
3 石をスタンプにするのもおもしろい。

4年 ウォータースクラッチf0236373_20425121.jpg 題材名「城が見た夢」(前の題材で城をつくり、それを絵に表した)
1 白い画用紙にクレヨンで絵を描く。濃いめに描く。
2 水性版画インクをローラーに付け、画用紙の上で自由に遊ぶ。
3 乾く前に、黒インクですべてを塗る。
4 画板において、画板の上から水洗い。洗い流す程度を調節する。
5 画板から、画用紙を先生が竹籤などをつかってはがし、乾燥棚におく。(子どもがやるとうまくはがせず、破けてしまう可能性が大きい。)
6 乾いたら、ニスを塗って、完成。
* 絵は2枚描き、いい方を使った。
とても不思議な色がすてき。私はもちろんやったことはないが、画用紙にインクをつけるとき、黒く塗りつぶしてしまうとき、水で洗い流すときのわくわく感はたまらないと思う。そして、水の中から城が浮き上がってきたときの感動もすごいと思う。


2年 針金ハンガーの針金を活用した動くおもちゃ
1 針金ハンガーを教師が切っておく。
2 段ボールでつくりたいものをつくり、針金にさす。
*針金につけるものを工夫することでいろいろな活動がすごく広がりそうだと思った。
 簡単に動くおもちゃができて、できた物を見ているだけでも楽しい。しかも、さわってOKなのも魅力的。
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5年 自画像 題材名「 自分の今」f0236373_215509.jpg 
児童へのなげかけ
・今日、○○さんは11歳と2ヶ月8日。 みんな今日は人生で1度だけの日。その最初で最後の自分。今の顔はもうない。だから、今をよくみて、今の自分を描こう。

5年「けしき」
・ 8切の黒、または、紺の色画用紙にクレヨンなどで景色を描く。たくさんの色をつかっても、1色でもよい。
・ 画用紙は一人4枚までで、1枚でも2枚で終わりにしてもよい。画用紙のつなぎ方は自由。
*画用紙に制限をつけることで、工夫が生まれると感じた。

(3)田尾先生が大切にしていること
「子どもが自分で満足すること」
 いいかげんなところで満足させない。
 食べ物で言うと、もっと食べろ、もっと食べろという感じ。おなかがいっぱいでもう食べられないというのは、体力がないからだ。もっとやれ。という感じ。子どもにとって、何度も何度も考えなくてはいけないから、大変。だから、いい。
「図工で疲れさせたい」
(例) 桜の木をのこぎりでひたすら切る。→自分でやらなくてはいけないことをわからせる。

(4)小学校でやらせたいこと
・ 小学校でどのくらい活動をふくらませられるか。
・ 水彩絵の具。
・ 手の使い方。

(5)題材の考え方
・ どうしようといつも考えていることが大切。
*ウォータースクラッチは、練り板を洗っているとき、蛇口から出る水が練り板の上に放射線上に広がっていく美しさを、とっておきたいと思って考えていた。

・ 悩んでいるとき参考になるのが子どもの作品。

・ 無理せず、ある程度のレベルまで、満足度もある活動ができるような題材を考える。

・ 求めるからには、それに相応した題材提供をしなければいかない。

・ みんな(大人も、子どもも、教師も)がみて、いいなぁと思えるものをやりたい。

・ 児童の実態を作っているのは先生だ。求めるからには、身につけさせるように向かっている必要がある。「〜ができないから、〜をやる。」ではなく、「〜までできている。だから、もっと〜するために〜する。」

(6)掲示の仕方や図工室についてf0236373_2182197.jpg
・ 木材の作品を壁に飾るとき。 木材に段ボールをはり、段ボールをやまとのりで壁に貼り付ける。それをとるときは、水をつけてしばらくおいておく(5分くらい)と、しぜんにとれる。

・アクリル絵の具は、2リットルのペットボトルを切ったものの中に入れておき、必要に応じて児童が小さいカップに取り分ける。

・紙粘土の小さい球をたくさん作っておく。すぐに、「目」にすることができて活用できる。




 他にもたくさんの題材や、図工室経営の工夫があった。とにかく、学ぶことが多かった。
私は、使う紙の枚数を気にして、試行錯誤するための画用紙を与えていなかった。何枚も紙を切ることを無駄にしていると感じていたけれど、何枚も紙を切ることによって試行錯誤し、創造的な技能を伸ばすのだと思った。
田尾先生には、まだまだ教えていただきたいことがたくさんある。お言葉に甘えて、他の学年の授業も参観させていただく予定。次回もとても楽しみだ。
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by hita61 | 2010-06-05 20:06 | 小学校