図工について考え、これから勉強していこうと思っている小学校教師の日記


by hita61
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 7/7(水)に戸田市立芦原小学校の長尾宏一教諭の授業を見学させていただいた。長尾先生は、児童造形教育研究会の会長をされている先生だ。その他にも、定期的に「図工・美術勉強会」を開催したり、教科書作成に携わったりしている先生である。
 3・4校時、第4学年 題材名「ギコギコ、コロコロ、たのしいなかま」を見学させていただいた。子どもたちが初めてのこぎりと出会う題材である。題材の目標は、いろいろな木を、いろいろな形に切ることを楽しむことと、のこぎりの扱いに慣れることであった。
 造形遊び、絵画の題材は見たことがあったが、立体に表す活動の学習を見るのは初めてであった。
 今回見学させていただいたのは、お願いをして第一次。長尾先生がどのように子どもたちに投げかけ、どのような導入をされるのか大変興味深かった。

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 長尾先生が導入で押さえたことは下記の通りである。
 始めに、「木のコレクションをしよう」と提案された。それは、子どもたちが多くの種類の木を色々な形に切ることに興味・関心・意欲を持たせるため。その結果、木を切ることが楽しくなる。のこぎりの扱いに慣れる。色々な形ができると、組み合わせて立体にするときの発想を広げることにつながる。という意図があるとのことだった。
 「大きな木のままだとみんなが持ってきた袋に入らないから、袋に入るように小さく切っていこう。いろいろな種類の木を切ればコレクションできるね。でも、1種類でもコレクションはできます。それは、どうしてでしょう。そうですね。いろいろな形に切ればいいのですね。だから、いろいろな木で、いろいろな形やいろいろな大きさに切って、みんなの袋にサンタさんの袋みたいにつめこんでいきましょう。」と話されていた。そして、ホワイトボードを使いながら、今日の勉強で大切なことは何かを確認されていた。
 また、導入は短い方がよいが、のこぎりを初めて使うので、あえて時間とられていた。それは、安全面を含めて子どもたちがいろいろな道具の扱いをしっかりと知っておく必要があるからとのことだった。子どもたちには、今日の勉強で大切なことを確認してから、「そのために、切り方やのこぎりのことなどを説明しますが、ちょっと時間がかかります。でも、そのことを知らないとけがをしたり、うまく切れなかったりするので、しっかり聞きましょう。」と話されていた。
 子どもたちは、木やこのぎりの使い方だけでなく、木工バイスやCクランプなどの扱い方も興味深く大変よく聞いていた。

 道具の使い方、しまい方の説明について
① 箱に入っているのこぎりの向き、番号が書いてある理由を考えさせる。しまい方、両刃のこぎりにカバーがついている理由。
② ミニのこぎりは、刃が小さいから切りやすいが、時間はかかる。刃が大きいのこぎりの方が威力はある。
③ 「こんな形ができるかな?」と、L字型やリボン型などの図を提示して考えさせる。
④ 図工室の椅子の形の特徴の意味を考えさせながら使い方を押さえる。
 横の一面だけ板が張ってある理由、木材が引っかかるようにできているから、横にして使うとき座る面を自分に向けること。
⑤ 木の節を切るのは、力がいる。節を模様にして使うのもおもしろい。
⑥ のこぎりを使って切るときは、木の上に足を乗せ体重をかける。親指は椅子も押さえ、後の指は木を押さえる。手を置くことで安定させることができる。
⑦ 縦引き、横引きの刃の使い方の違い。で縦引きを使うのは難しいから、横引きを使って縦も横も切ってよいけれども、縦引きは、木目に沿って切るときに使うことは知っていてね。f0236373_2156128.jpg
⑧ 実演しながら、のこぎりで切るときは、最初は、こちょこちょとくすぐってあげる。切れ目ができたら、ギコギコする。
⑨ のこぎりを真上から見ながらまっすぐに切るようにする。
⑩ 真っ直ぐにのこぎりを引かないとどうなるか、やって見せて考えさせる。
⑪ 刃の取り替えができるのこぎりのボタンを触らないようにすること。
⑫ 切り終える間近の、のこぎりの角度や動かす速度の変化に注目させ、どうしてか考えさせる。
⑬ V字型の木ぎれを提示し、「どうやって切ったのか考えて見てね。」と切り方を教えずに考えさせるようにしていた。
⑭ L字型の木ぎれはどうやって切ったのか、考えさせて、やってみせる。長いもとの木から切り離す前に、L字の上の小さい長方形から切っていくことを押さえる。f0236373_21534814.jpg
⑮ 木工バイスの使い方としまい方。机の端に取り付ける理由。木工バイスを使うと両手を使って切ることができること。
⑯ Cクランプの使い方の使い方としまい方。木材にCクランプの後がつかないように、薄いベニヤ板などを挟ませるとよいこと。
⑰ ペットボトルに、おがくずの色ごとに漏斗でおがくずを入れておく。色ごとに分けてとっておくと、飾りにも使うことができるのことだった。
⑱ 紙やすりの使い方。木に巻き付けると使いやすくなること。細かいところは、鉛筆に巻いたり、やすりを折ったりして使うと良いこと。
⑲ 道具を運ぶ時の安全指導と役割分担。

 長尾先生の授業は、めあてが明確で、何を学ぶのかとてもわかりやすく、「あ〜、こうすればいいんだ。」と見ていて気持ちがよかった。また、児童が持ってきた袋の記名の確認、袋のしばり方など小学校ならではのきめ細かい指導であった。
 長尾先生は、いろいろな種類の木材を用意されていた。周りをバーナーで焼いてある木について、バーナーで焼いている理由やどんなところで使われている木か話したり、木目や、色、におい、かたさについて子どもが興味を持つように話されていた。そして、子どもたちが、いろいろな種類の木をいろいろな形に切ることに関心を持つようにされていた。
 さらに、変わった形の木の切り方や、最後にのこぎりたてて使う理由などは、答えを教えずに「考えてみて。」と投げかけて終わっていた。長尾先生の導入は、安全に関しての指導は徹底し、教えるべきことはしっかり教えた上で「どうしてかな?」「なんでかな?」と問いかけるようになっていた。
 のこぎりで木を切る活動は、必ず扱われる題材である。でも、
1 多くの種類の中から自分で木を選択すること
2 木の感触、におい、色、かたさの違いを感じ取れるようにすること
3 いろいろな種類の木を切ってみること
4 どうしてかな?どうやるのかな?と考えること
この部分が、現場の授業で抜けていることが多いのではないかと思った。そして、抜けていることが多いと思われるこの部分が、とても大切なのだと感じた。
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by hita61 | 2010-07-19 23:47 | 小学校
 6/24(木)に東京都町田市立町田第四小学校の岡田京子主任教諭の授業を見学させていただいた。岡田先生は、小学校学習指導要領解説図画工作編作成協力者になっている先生だ。
 授業は、3時間目から6時間目までの計4時間、2時間ずつの2学年2クラスの授業を見学させていただいた。
 3・4校時は、第4学年 題材名「しろいいし」
これは、「子どもの絵の見方」(奥村高明 著 東洋館出版社)にも掲載されていた題材だった。これは、校庭で白い石の似合う場所を探し、写真に収める活動だった。活動を通して美しさを感じ、いつもと違う見方で材料や場所に目を向けることを楽しむ活動であった。
 私は、①子どもたちが感性を働かせているであろう場面を見付けることと②先生の言葉によってどう子どもたちの活動が広がっていくのかを見たいと思った。

 ① については、1つのグループを見ていた。まず、場所の特徴から発想し、それを表現し、形にしたものからまた発想し、表現しと、発想、表現、鑑賞を繰り返して活動が広がっていく様子がよくわかった。そうやって見ていくと、子どもの活動すべてにおいて感性を働かせているように見えて、ここで感性を働かせているという場面を取り出すということは、子どもの活動すべてを取り出すということになるのではないかと思った。だから、ここが感性を働かせている場面と突出して抜き出すことは難しかった。
 ただ、感じたことは、活動が広がったり、深まったりしていくことが、感性を十分に働かせていることにもなると思った。だから、活動が広がったり、深まったりするような題材設定が「感性を働かせながら」につながると思った。

 ② については、ずっと、岡田先生の後をついていたわけではないので、そのよう場面に出会うことができなかった。しかし、岡田先生は、「いいねぇ。」「おもしろいね。」ということはたくさん言って、子どもたちの活動や気づきを評価していた。その評価で、子どもたちが自分の活動の価値を見いだし、新たな場所との関わりを見付ける子もいれば、一つの場所で活動を深めていく子もいた。

 授業終了後、②の場面について伺ったら、今回は、言わないようにしたとのことだった。それは、言った時点で先生のイメージになってしまうからだとのことだった。今回のねらいは、いつも見ているものでも見方を変えるともっとすてきで、おもしろい場所になることを発見してもらうことがねらいなので、そのようにしたとのことだった。

 今回の活動の中で、カメラが使用されていた。カメラで撮影して、後で見ることは活動の良さを子ども自身が気付く手立てにもなる。撮影している児童の様子を見ていると、同じものを撮影しても、下からなのか、近くでなのか、などどこから撮るとよりよく撮れるのか考え、試していたことがわかった。写真をとることで、そこに自分の気持ちが映るのだと感じた。
「始めよう、カメラの授業!」(発売元ピエブックス)を見たときも、とてもおもしろいと思ったが、実際に子どもが思考をめぐらせているようすを見るともっとおもしろくなった。

 また、子どもが石に合う場所を探す様子もおもしろかった。場所の形に目を向ける子、素材に目を向ける子、色に目を向ける子、その場所の価値に目を向ける子など、一言で場所と言っても、その子なりのいろいろな場所のとらえ方があるのだと改めで感じた。
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by hita61 | 2010-07-06 14:01 | 小学校