図工について考え、これから勉強していこうと思っている小学校教師の日記


by hita61
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31
 第5学年 題材名「ジャングルの生命(いのち)」
この題材のねらいは、あるジャングルを想定し、それにあった主調色を見付け、密集した植物を描くこと。奥行きを意識しながら、主調色の反対色を感じて、生命を描き加えていくこと。とのことだった。
 ジャングルの主役は植物の密集であることを押さえなければいけない。そして、ジャングルの中にもうひとつの命が生まれてくると話してくださった。

 内野先生は、とにかく子どもの絵をよく見て回っていた。そして、子どもの絵の指導をしながら、いろいろな話をしてくださった。

先生の役割について
・教師は何を準備するかが大切。環境を整えてあげることがとても大切。
今回の題材では、内野先生は、都立夢の島公園夢の島熱帯植物館へ行って実際に資料となる写真をたくさん撮ってきていた。また、熱帯地方の図鑑も用意されていた。
・子どもの中に突っ込んでいくことは大切。それは、子どものやっていることに対するサポートである。しかし、先生の思うようにやってしまえば、それは先生の絵になってしまう。
・技法は、その都度、その都度ニーズによって与えればよい。そうしなければ、みんな同じ絵になってしまう。
・絵は120%やらせる。できました、まだできていません、これでいいです、もっとやりたいです、という完成度を育てる。そして、このことは同時に鑑賞の学習でもある。
・完成度を育てることは、1年生のうちからやらなくてはいけない。1年生でも、自分で考えて、できました、これでいいですと言ってもってこさせなければいけない。
・導入は言葉ではない。その前に、自由な環境、雰囲気ができているか。子どもの心的な環境ができているかがとても重要である。

机間指導しながら子どもに話した言葉
・もっと勇気をもて。
・くちばしは線ではない。
・もっと冒険してもよい。こわがらない。失敗したらまたぬればよい。
・鳥は、羽とくちばしの色は違う。
・翼は翼の感じ、体の場所によって羽の感じはちがう。
・猿はとってもかわいいけれど、猿の手が大切。何かをつかもうとしているのだから、手足の先の表現をもっとやる。
・空間を大切にする。林をもっと描くと奥行きはでる。
・葉っぱがはっきりしない。外枠だけがはっきりしている。主役は外枠ではない。葉っぱの中があるから、結果的に外枠ができるものだ。
・その筆ではできないから、先生の筆を使ってみて。どうして先生がこんなぱさぱさの筆をとっておいたかわかる?ほら、羽毛が描けるよ。
・思い切った色をつかってください。
・5年生だから言うよ。君が描いたこの蓮は上から見た蓮。でも、横から見るとどう?よく見て。

・すばらしい。
・君ならできます。絶対にできます。
・自信を持て。大丈夫よ。
・すごくきれい。きれいだけれど、何かが足りない。
・満点です。でも、それに満足しない。
・わかった?できるよ。
・いいよ、どんどん描いちゃえばいい。ぱーってぬっちゃって、それから考えればいい。
・失敗したっていいんです。またやればいいんです。やり直すことも勇気です。

 内野先生は、必要な子には、どんどん言葉がけをしていったし、技法も教えたし、金、銀の色を作ってあげたりもしていた。
「子どもの中に突っ込んでいくことは大切。それは、子どものやっていることに対するサポート。しかし、これで、先生の思うようにやってしまえば、先生の絵になってしまう。」
この言葉が意味するところがとても重要だと思った。

私は、現場で起こっている問題点は、次のようなことだと思う。
・指導すべきところを指導していない。一見子どもの気持ちを尊重しているようだが、放任している。
・子どもが自分で決めるべきところを先生が指示をだし、先生が決めてしまっている。
・子どもが自分で発見すべきところ、自分で気付くべきところを、先生が教えてしまい、先生が子どもの発見と気づきを奪っている。

 私には、内野先生のように、見てすぐに、子どもの思いがよりよく表現できるようなサポートはできない。見ただけでは、どこまで口を出していいのかわからない。だから、「対話」が必要なのだ。先生の役割は、その子の思いがよりよく表現できるようなサポートをすることだった。

 「下塗りは単なる背景ではない、世界の色だ。」という言葉もとても印象に残った。
[PR]
by hita61 | 2010-07-27 23:25 | 小学校
 7/13(火)に東京都品川区立第三日野小学校の内野務教諭の授業を見学させていただいた。内野先生は、ドキュメンタリー映画「トントンギコギコ図工の時間」(監督・野中真理子)の舞台となった第三日野小学校の図工専科の先生である。
 授業は、第1校時から第6校時までの計6時間見学させていただいた。第1校時から第4校時は、5年生2クラスを2時間ずつ、第5・6校時は、6年生の1クラスの授業を見学させていただいた。更に、休み時間や放課後もお忙しい時間をさいて、お話をしてくださった。
 内野先生は、「本当にずっといたね。」とおっしゃったが、本当にずっといたくなる図工室であり、内野先生だったのだ。私にとって、刺激的で、新しく知ること、感じることが多く充実した一日だった。第三日野小学校では、内野先生が子どもたちに何を語り、どう関わっていくのかを見たいと思った。
 
 内野先生は、子どもたちにABCの3つの勉強についての話をされていた。これは、内野先生が子どもたちにずっとお話をされてきていることだ。
Aの勉強は、音楽、図工などの芸術の勉強。
Bの勉強は、国語、算数などのように点数がつくもの。基礎的・基本的な勉強。大切だし、なくてはならない。そして、教えてもらうための勉強。Bの勉強の中にも、Cの勉強はある。
Cの勉強は、自分から社会の知識を身につけていく勉強。口蹄疫、ワールドカップ開催国についてだったり。Bの勉強ができても、Cの勉強ができていないようではだめ。
ABCの勉強3つが1つになって、私たちは豊かな人間になれる。
という話をされていた。この勉強の話はとても共感できるものであったし、こういうことも子どもたちにちゃんと伝えていかなければいけないことだと思った。

 内野先生が、子どもたちに語る言葉がとても勉強になった。その言葉がもつ意味がとても重要で、教師の姿勢としてもとても重要なことだと思った。だから、今回は、内野先生が話されたことを書きだした。

 5年生の授業は、椅子作りのイメージ図から始まった。子どもたちは図工ノートに、9つ程度の椅子のイメージ図を描いてきていた。内野先生は、図工ノートを見て、f0236373_2316249.jpg
・悩みが足りない。
・こだわっていない。
・新しい線、形で椅子を作ろう。
・みんな同じではない。
・例えば、曲線からイメージするなど、言葉から考えるのもおもしろい。
・椅子の脚、座るところ、背中にあてるところが、ばらばらではいけない。それをトータルデザインという。
・脚は、1本でもいい。では、1本で立たせるときはどうすればいい?
・デザインを冒険しましょう。
・この形はだめだと、自分の仕事に×をつけてはいけない。そこから、自分の仕事をふくらませるのだ。どうすれば、それができるか考えるのだ。例えば、(絵を描いて見せながら)こんなときどうすればいい?
・浦和の埼玉県立近代美術館には、くちびるの形をした椅子があるよ。東京都デザインセンターにも行ってごらん。いろいろあるよ。
・先輩が作ってきた椅子の写真がたくさんあるから、見てください。ただし、まねをしてはいけない。
・テーマは大切。
・材料は大切。場合によっては、材料から形を発想することもある。形を作るために、どんな材料がいいか考えることもある。
・座れなくてもいい。アートの椅子だから。図工室の椅子は、象が乗っても大丈夫なほどとても丈夫にできている。使えるための椅子もとても大切。でも、図工では、アートな椅子。
・形や色にこだわりをもちなさい。
・自分の中のものをあきらめてはいけない。

 子どもたちは、また自分の椅子のデザインを考えてくることになった。

 内野先生の言葉から、椅子のデザインを通して、もっと、もっと、考えろ。自分を高めろ。もっと、自分と向き合え。中途半端なことはするな。というメッセージが感じられた。そして、子どもが何をどう考えていけばいいのかが分かるように、形、色、材料、テーマ、デザインなどの視点の指導をしていた。
 映画で見た椅子は、子どもたちが本当に、練って、練って、練って作りだしていたものだと分かった。そうやって作っているものだから、制作の集中力も違うし、作品に対する思い入れも違うのだ。

 特に「この形はだめだと、自分の仕事に×をつけてはいけない。そこから、自分の仕事をふくらませるのだ。」「自分の中のものをあきらめてはいけない。」という言葉が印象に残ったし、すごくいいなぁと思った。
[PR]
by hita61 | 2010-07-26 23:19 | 小学校